病気になる前の自分に戻ろうとしない
私はパニック障害やうつ病によって休職・復職を4回繰り返してきました。
休職中に症状が良くなり、心身が回復してくると、「今度こそ、病気になる前のようにバリバリ仕事をするんだ」と気合いが入ってくるようになります。
ところが、やる気に満ち溢れて復職しても、再び症状が悪化して休職してしまうのです。
お医者さんに言われた通り、定時に帰ったり、自宅に帰ってからも仕事を忘れるように心がけたり、休日はしっかり休むようにしたりして努力しました。
私なりの「働き方改革」を実行してきたのに、なかなか休職と復職を繰り返す負のサイクルから抜け出せません。
本当に苦しくて、この絶望的な状況から逃れようと足掻いていました。
でも、やっと脱出する方法が分かったのです。
それは、「働き方を変える」のではなく「生き方を変える」必要があるんだって。
教員として働くようになってからは、残業することが当たり前でした。
学級の子どもたちのために教材研究をしたり、学校全体に関わる行事の実施案を考えたり、会議や研修会に参加したりすることは、大変ながらも毎日が充実していました。
自宅に帰ってから残りの仕事をしたり、休日に学校に行って授業準備をしたりすることも、「立派な教員になる」という願いを実現するために、やるしかありませんでした。
教員10年目を迎え、周囲からも管理職(教頭や校長)になれることを期待されていました。
しかし、そんな過酷な労働では長くは続きません。
過労が引き金となって、パニック障害を発症してしまったのです。
この病気をきっかけに、私の働き方は変わりました。
平日は定時で帰って、休日出勤しないようにするために、ビジネス書を読み漁って効率的・合理的な仕事の方法を考え、工夫できることは徹底して実行してきました。
周囲の協力もあり、おかげで定時退勤と休日出勤ゼロを実現できたのです。
「病気になる前の頑張って仕事をしていたあの頃の自分のように、再び教員として働くことができる」と強い希望が持てました。
けれど、仕事量は変わらないので、定時で帰るようにするためにはスピードを相当上げなければなりません。
さらに頭をフル回転させて仕事を処理しなければなりませんから、心身への負担が大きかったと思います。
いくら働き方を変えたとはいえ、やがて心身の限界が来てしまうのです。
今度は、パニック障害ではなくうつ病で休職してしまいました。
4回目の休職中に、ようやく大事なことに気づきました。
「働き方レベルではなく、生き方レベルで大きく変えていかないと、自分の人生は前進することができない」ということに。
病気になった私に必要だったのは、「病気になる前の自分に戻る」ことではなく、「新しい自分に生まれ変わる」ことだったのです。
教員に戻ることを諦めたことで、身体だけでなく心の底から“休養する”という感覚を手に入れることができました。
そして、「やってみたいこと」「好きなこと」にチャレンジするようしてからは、症状が良くなってきて、活力が湧いてくるようになりました。
今では、病気を治すために始めた運動療法の一つであるランニングが趣味になり、地域のマラソン大会に参加できるように練習に励んでいます。
また、うつ病やパニック障害の自助グループRelamateを立ち上げて、当事者同士で気持ちを伝え合ったり、情報を共有したりする場を提供できるよう、運営を始めました。
昔の自分に戻ろうと必死に努力してきた生き方から解放され、現在の自分に合った新しい生き方を見つけることが少しずつできるようになってきています。
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